桂三四郎ブログ 落語家 桂三四郎の挑戦

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【話術】話が上手くなる考え方「頭の記憶ではなく心の記憶で話す」〜喋りが上手くなるブログ

 

桂三四郎の喋りが上手くなるラジオ

 

こんつわ!!

 

毎日ブログ更新しているよ〜!!!!!

 

令和になってから桂三四郎は生まれ変わっているよー!!

 

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寝起きでもこんな感じの美少年!!!!

 

話が上手くなる方法「頭の記憶と心の記憶」

僕は落語家を15年やって来て、喋ってる最中に内容を忘れてしまうということが何度もあった。

 

というか、ネタを一個喋り忘れたまま終わって

 

「あ、あのネタ話すの忘れてた!!」

 

ということは何度となくある。

 

落語でも新作ネタおろしの時などは

 

「あ、あそこのギャグ一個抜けてた!!」

 

は常々ある。

 

人間の記憶なんてそうそう簡単に固まるものじゃないし

緊張感の中にいるとプロの僕でも喋ることが抜け落ちることはざらにある。

 

話が上手くなる方法「頭の記憶」

 

落語を覚える際にうちの師匠桂文枝からよく言われているのは

 

「落語が腹に入るまで稽古せないかん」

 

ということ

 

「腹に入る」という表現は言い換えれば

 

「心に刻まれるまで」

 

という言い換えることもできるだろう。

 

頭で記憶しているだけのものはやはり抜け落ちやすい

 

もしかしたら

 

「短期記憶」と「長期記憶」

 

なのかもしれないが

 

頭で記憶しただけのことはなかなか記憶に刷り込まれにくい

 

僕が15年で完全に落語が飛んで真っ白になったときは1回だけ

 

入門して3回目の舞台だ。

 

落語をやってる最中に

 

ちょうど目線のところにいた女の人が

笑顔のままゆっくり目をつぶって寝てしまったことに動揺して

 

「この人ねたー!!笑顔でねたー!!!なんでー!!笑顔で見てくれてたやん!!僕のこと好意的に見てたんと違うのん!!ねたー!!!」

 

となってめちゃくちゃに動揺してしまったのだ。

 

頭が真っ白になってそこからのセリフが全くわからなくなって

 

ただオチだけは覚えてたのでそこから無理やり喋ってオチまで持っていって無事着地を下が心の中は全身複雑骨折で瀕死の重傷だった。。。

 

結局、腹のなかに噺が入っていなかったので、集中力が緊張感に負けてしまった結果

落語のネタが飛んでしまったのだ。

 

心の記憶

 

「腹に入れる」

 

ということについて先ほど書いたが

 

頭の記憶より心に記憶されたものは取り出すのが容易なのだ

 

中学校の時、修学旅行での夜の出来事

 

友達と会った時にそのはなし、練習しなくてもスラスラ話せるでしょ?

 

生まれて初めてのデートやファーストキスの思い出

 

すぐ思い出せるでしょ!!思い出せるでしょ!!

 

思い出せるでしょー!!!!

 

心の中に深く刻まれた記憶はなかなか消えることはない

 

マイナスの記憶も同じことが言える。

 

トラウマはその嫌な思い出が心の記憶に深く刻まれているのだ。

 

落語もそうで、自分で勝手に覚えたネタ(基本的にはダメ)なんかは

腹に入るまでものすごく時間がかかる。

 

そして、すぐ忘れる。

 

きちんと稽古してもらったことはその時の思い出が心に残っているから忘れないし

すぐに思い出せるのだと思う

 

新作落語は稽古がない分、そういう記憶は少し時間がかかるかもしれない。

 

古典落語は、生まれて初めて聞くネタではないからより覚えやすいということはあるけど。

 

話が上手くなる方法「心で話したことは心で聴く」

 

心の記憶で話している時

 

相手は心で話しを記憶する

 

頭の記憶だけで話している時は頭で記憶する

 

どちらの方が記憶に残るかは先ほど話した通りだ

 

結婚式のスピーチでも新婦の親友の心のこもったスピーチは

 

たとえ細かい内容は完全に記憶していなくても心震わされた記憶は残っている。

 

新郎の上司の主賓挨拶なんて誰も覚えてないし

 

そんなことがあったことすら誰も覚えていない

 

人前で話す時に

 

「心で話す」

 

ことが何より大切だ。

 

そんな簡単にできることじゃないし

 

僕自身もまだまだ修行中だが

 

意識しなければ絶対にできないことなので

 

「心で聞き」

 

「心で覚え」

 

「心で話す」

 

こうすれば必ず聞いている人の

 

「心を動かす」

 

ことができるようになるだろう。