僕はこのために落語家になった
僕は桂三四郎として15年間いろんな形でかなり幅広く活動してきた。
ありがたいことにいろんなお仕事をいただいてきたし、おそらくこれからもしていくだろう。
古典落語、創作落語だけでなく、講演や大学での講義
オリジナルの創作落語を作成しシンポジウムで披露したり
芝居に出るだけでなく、脚本も担当することもあったかと思えば
ドラマのレビューを書いたり、ネットの音声コンテンツを配信
たまにテレビやラジオにも出していただいたり
そこまで知名度があるわけでもないのに全国ネットのCMにコネっコネのコネで出していただいたこともある(笑)
その中で「これをやるために落語家になったんだ!!」と強く確信を持てることがある。
それが「桂三四郎ひとり会」だ。
僕はこの会に関して特別な思い入れがある。
大阪時代は自分で落語会をすることはほとんどなく、いただいた仕事を一生懸命することで少しずつ露出も増え、仕事も増えていっていた。
そのまま大阪にいれば周りのみんなの助けでおそらくうまく回って行っていただろうなと今でも思う。
だけど、僕はゼロから東京で戦うことを選んだ。
希望に燃えて東京に出てきた28歳の僕はなんの根拠もない自信に満ち溢れていた。
今考えても恐ろしいし、無知って怖いなと思う。
何も知らないから飛び込んでいけたのだ。
上京してすぐにお笑いブームは終わりを告げ、よしもとの仕事自体がなくなっていたところに
あの東日本大震災・・・。
あの恐ろしい災害に世間はお笑いどころじゃなくなった。
世間が大変な時に何もできない自分にあれほど無力感を感じたことはない。
仕事は大阪で出させていただいていたラジオだけで東京で仕事はほとんどなかった。
このままじわじわ終わっていくのは嫌だ・・・。
その前にとにかく全力で落語やる場所を作ろう
そこで始めたのがこの「桂三四郎ひとり会」
大阪でやったことのない落語家になって初めての独演会に
東京で知り合った人たちがたくさん来てくれ小さいところだが満席になった。
あんなに嬉しかったことはなかった。
僕の落語を見たことないのに知り合った「縁」を大事にして来てくれた人たちをなんとか楽しんでもらいたい。
桂三四郎としてできる精一杯のアイデアでおもてなしをする。
もしこのまま落語家をやめることになってもここで全てを出し切って僕との「縁」を大事にしてくれたお客様に最高の桂三四郎をお見せしよう!!
そう思い全力でやり切った。
そうしたら次のひとり会には、半年前のお客様がリピーターとしてたくさん来てくれてまた満席になった。
そのお客様方を「前回以上に素晴らしかった」とどうしても思わせたい。。
その繰り返しを今までずっと「桂三四郎ひとり会」でやってきた。
正直、あの時この「桂三四郎ひとり会」がコケていて二回目の開催がなかったら僕は落語家をやめていたと思います。
僕が落語家として生きて行けているのはあの時、ただ知り合っただけの面白いかどうかもわからない落語家の独演会に来てくださった僕との「縁」を大事にしてくれたお客様のおかげです。
あの時決めた
現時点での桂三四郎の最高到達点を見せる。
今回も桂三四郎の挑戦が始まります。
みなさまぜひよろしくお願いいたします。
「桂三四郎ひとり会」
4月11日(土)
19時開演
月島社会教育会館ホール(各線月島駅直結)
予約3000円(全席自由)
問キュート https://cute-r.com
050-3719-0910(留守電対応)