桂三四郎ブログ 落語家 桂三四郎の挑戦

落語家 桂三四郎が何かしら発信するブログ。

【話術】話が上手くなる失敗談、自虐ネタもほどほどに〜喋りが上手くなるブログ

なんや今年はGWが

 

10日連続やそうでんな。

 

10日連続休みって

 

そんなん言うたらわたいは

毎月ゴールデンマンスでんがな!!

 

いやー、こないだうちの師匠が紫綬褒章うけとりましてんけどな

わたいもこの度受けとることになりましてん

生活保護!!

 

こら冗談ですけどなんやかんやでさっぱりわやですわ!!

 

桂三四郎の喋りが上手くなるブログ

 

話が上手くなるコツ1「自虐ネタ」

 

寄席に行くと自虐ネタをよく聞く

 

自虐ネタというのは笑いの基本だ

自分を少し下に見せることによって

聴衆を味方につける手法

 

比較的簡単に笑いがとることができるので

自分のことを見るのが初めてで

演芸にあまり慣れていない人に

かなり効果的で、使い勝手がいい

 

これも、先日のブログに書いた

「逆マウンティング」

にも通じていて

 

相手より下に潜り込むことで

聞いてる人の気分を害さず

傷つくのは自分だけという無害な笑いだ

 

話が上手くなるコツ2「弊害」

 

とても使いやすく効果的な自虐ネタだが

弊害もある。

ある日、天満天神繁昌亭という

大阪の寄席の出番

僕はまだその時前座だった

自分の出番が終わって

後の先輩師匠方の高座を勉強していた。

 

そこでハッと気づいた。

 

「全員が自虐ネタをしている」

 

ということに

 

前の人が自虐ネタ

次の人も自虐ネタ

また次も

また次も

最後まで自虐ネタ

 

途中からお客さんは落語家のことを

尊敬してなかったと思う。

 

お客様は笑っていたが

 

落語家が笑せていたのではなく

 

落語家が笑われていただけなのだ。

 

その証拠に

お客様をお見送りするときに

出番の先輩が

 

「にいちゃんごめん、これ捨てといて」

 

とゴミを手渡されていた。

尊敬してる落語家にする行為ではない。

お客様は舞台を見て

「この人やったらゴミ渡しても大丈夫やろ」

と判断したに違いない。

 

話が上手くなるコツ3「自虐も使いよう」

 

それから出来るだけ自虐ネタを使わないように

しようと心がけたが

なかなか難しい

自分のお客様の前では

僕の人間味に触れるような笑いを提供できるが

初見で、また落語自体初めてという

お客様の前では

使わざるを得ない時もある。

 

その時に心がけているのが

ちゃんと尊敬されるような事を言って

 

「バランスをとらなければいけない」

 

ということ。

 

自虐ネタで自分を下げた分

少し自分のことを上げて

ちょうどころ加減にする。

 

これが大事だ。

 

話に尊敬される部分を入れる

 

これは色々なやり方があるが

 

例えば

 

持っている知識を披露する。

喋りの技術(巧さ)を見せる。

誰もが憧れる体験を話す。

役に立つ情報、得する情報を話す。

 

落語でいうと

 

例えば

 

「刻うどん」

 

というスーパーメジャーなネタがある

 

うどん屋で代金を払う時に

 

「一つ二つ三つ四つ五つ六つ七つ八つ

    うどん屋いま何刻や?」

「九つです。」

「十、十一。。。。」

と続けて一文誤魔化すというあの落語だ。

 

落語の前に

「ただいまでは時間のことを1時2時3時4時と

    数えますが昔は2時間を一刻

    四つ五つ六つと数えました。。。」

という枕がある

 

ここを少し詳しく説明すると

知らない人からしたら

「へー、そうなんや」

となる。

さっきまでアホみたいなことを言ってたのに

急に賢そうなことを言うと

アホみたいなことが

「計算で言ってるんだな」

と思ってもらえるようになるのだ。

 

まあ、説明で退屈させてはいけないから

そこはセンスなのだけど。。。

 

とにかく笑ってもらう

親近感を持ってもらう

 

ということに関して

自虐ネタは効果的だけど

尊敬されることを入れないと

面白い人ではなく

笑い者にされるだけなので

使い方が難しい。