落語家のマーケティング〜前座インフルエンサー 桂三四郎の挑戦
ありがとうございます桂三四郎です。
インフルエンサー落語家として発信し始めた赤ちゃんインフルエンサーです。
もちろん落語がメインの仕事ですが
落語家の仕事をさらに拡大するツールとしてインフルエンサーを目指すことにしました。
インフルエンサー落語家なんて言葉は世の中に存在しないので
言ったもん勝ち!!!!
先に名乗りを上げたもんがその肩書を得ることができるのです!!!!
まず
こういう新しいことを始めるとだいたい仲間内から横槍が入ります。
「落語をもっとしっかりやれよ」
とか
「腕がないから手っ取り早く売れようと新しいもんに飛びつきやがって」
なんか言われることもありますが
だいたいそんなことを言う落語家に限って
安い居酒屋で昔の武勇伝を語ったり
敬老会で堂々と南京玉簾をやって落語よりそっちの方が盛り上がってしまうような落語家なので
お耳スーパーシャットダウンでございます!!!
「桂三四郎十五周年記念独演会」
発売10日で完売したぞこのやろー!!!!!
チラシ家がに500枚あるぞこのやろー!!!
完売しても配るぞこのやろー!!!!!
とにかく鶴瓶師匠のおかげであっという間に完売してホッと胸をなでおろしている。
てかもっとでかい箱でもよかった。
チケットもっと値上げしたらよかった。
まあ、欲をかくとろくなことはないから別にいいけど・・。
予約取り置きのリストはcuteさんと共有してるのだけど確認してみると500人中
350人はリピーターの方なんだよね。
つまり一回以上僕の落語会に遊びに来てくださって
楽しかったから何度も足を運んでくださっている方ばかりだ
もちろん鶴瓶師匠が特別に出てくださるということも大きいけど
桂三四郎の落語は間違いなく面白いという信用を勝ち取っている証拠だ
僕は東京に来て8年経つ
もともと東京に知り合いなんか一人もいなかったのだが
若さゆえの勢いで何も考えずに東京に飛び込んでみた
もちろん始めのうちはお客さんも入らなかった
東京に引っ越した初日にやった独演会はお客さんが5人だった。
「なんや5人かいな」と思うかもしれないが
今考えると、全く何処の馬の骨ともわからない見ず知らずの落語家に5人もお金を払って見に来てくださったことがすごいと思う。
そこからもお客さんが全然入らなかったんだけど
そら入るわけないよね。
いろんな落語会でチラシ撒いてTwitterで「拡散希望」
って言っても誰も見向きもしてくれない。
だって僕の落語家としての信用が0だから!!!
見たことも聞いたこともない落語家のチラシ見て
「あ、この落語会いこ」
ってまずならない。
でも落語会にはこう言うタイプたまにいる。
信用のない落語家が出演していない落語会にチラシを巻くなんて
チラシを捨ててるのと一緒!!!!!!
「いやいや、落語ファンもたくさんいてその中に僕のこと知ってる人もきっといるからその方達に宣伝してるんだよ」
いや、その可能性何パーセント!?
落語界はめちゃくちゃ遅れてていまだにこのやり方が根付いている。
まだ出演者ならいい
その落語会でめちゃくちゃにウケさせて、観客を魅了して感動させれば
きっとチラシを見て自分の落語会にも来てくれるだろう。
でもそんなもんだけではお客さんはいっぱいにならない。
東京の落語界で育ち「前座、二つ目、真打ち」と周りの地盤がしっかりしてて順をおって成長していくタイプの落語家ならこのやり方で十分やっていけるのかもしれない
僕はなんの後ろ盾もない外様の落語家だ。
道は自分で切り開かなければ前に進めない。
そんな時に、東京で出会った友達に
「よかったら落語見に来てくださいよー」
と言ったら、友達をたくさん連れて本当に見にきてくれた。
本当に来てくれるなんて思っても見なかった。
すごく嬉しかった。
僕もめちゃくちゃ頑張って笑わせた。
すると今度はまた違う友達を連れて来てくれた。
僕は思った
「友達100人作ったら独演会いっぱいにできるんちゃうか!?」
いろんなところへ顔を出して友達をたくさん作って落語会にお誘いした
ほんとめちゃくちゃいろんなところに顔を出した
2回目の独演会はキャパ50人の小さいところだがいっぱいになった
どこの誰かもわからない落語家だけど「桂三枝」の弟子だと言うことである程度の信用
が得られてたのだろう
ただ僕を信用してくれた人たちを絶対裏切りたくないと言う一心で楽しんでもらうためにめちゃくちゃ頑張った。
3回目の独演会もいっぱいになり、4回目は100人の会場がいっぱいになった。
「友達100人呼んでもなんの意味もないやん。看板でお客さん呼ばんと」
何を隠そう大阪時代に僕がとある先輩に言った失礼な一言だ。
先輩は飲み屋さんでいろんな人と知り合って落語会に来てもらって、そのお客様を楽しませてまた来てもらうと言うスタイルなんだけど。
その時の僕はそのスタイルが好きじゃなかったのと、変なプライドが邪魔をしていたんだろう。
「友達100人呼んでも・・・。」
と言う発言は確かに正論っちゃ正論なんだけど
今なら自分の発言の間違いがわかる
はっきり言って
友達も来てくれないような会に見ず知らずの方がお金払って見に来てくれるわけがない!!!!
友達も楽しませられないやつが見ず知らずの方を楽しませられるわけがないんだよ!!
友達もファンにできないやつにファンなんかできるわけないんだから。
落語家は変にプライドが高くて
「落語会を満員にする」
という目標より自分のちっちゃなプライドを守ることを大事にする傾向にある。
「お客さんが少なくてもいい芸をしていたらきっと世間はわかってくれる」
という清貧を美徳とする不思議な文化があるのだ。
お客さんが入ってない時点で自分のブランド価値が下がってしまっているのに・・・。
だから会をやるならできるだけ満員に近づけなきゃいけない。
それもお客様に対してのサービスに一つだし、満員のお客様を前にすると落語家の芸もよくなってくる。
それに満員のお客様の信頼を裏切るわけにはいかないので必死で努力する。
楽しんでいただけたらまた会に来てくれる。
この繰り返しでコツコツお客様の信用を貯めてきたことで今回の「桂三四郎十五周年記念独演会」が満員になったのだと思う。
なんでこんなことを長々と書くかって?
それはね、この十五周年が10日で完売したんだけど
ここだけ見たらすごく簡単にいっぱいになったように見えるでしょ
でもここに来るまでに僕なりに苦労があって、考え、悩み、努力があって
なんとか満員で十五周年を迎えられそうなのだけど
そういう苦労と努力のドラマを知ってもらった方が
より、僕の落語が楽しめるはずだ。
そう、このブログで僕のこれまでのドラマを書くことが
お客様に僕の落語をよりいっそう楽しんでいただくためのサービスなのだ。
「桂三四郎」という商品を売る僕にとって
HPやFacebookは「桂三四郎」という商品をを陳列する商品棚で
お客様へのお礼やお誘いのメール、縁を広げるためにいろんなところに顔を出すのは「桂三四郎」の営業活動
このブログやVoicyは「桂三四郎」をさらに深く知ってもらい顧客価値を高めるためのマーケティングなのだ。
このブログやVoicyを見てもらうことできっと僕の落語をもっと楽しんでいただけるはずです。
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