【話術】トークにはポジションがある〜喋りがうまくなるブログ
僕も含めて落語家はあまり多人数で
トークをすることが少ない
1対1のトークならまだしも
多人数で喋るクロストークというのが
どちらかというと苦手だ
落語家は基本的に自己完結してしまう癖がある
自分一人で話し出して
自分一人でオチまで持っていく
という喋り方なので瞬発力に欠けるところがある
テレビのひな壇なんかのトークは団体芸なので
こういうジャンルに落語家というのは
すごく弱い
トークでの団体芸というのはサッカーみたいなもん
それぞれに役割がある
簡単に説明すると
サラリーマンの飲み会での人間関係と一緒
つまり忖度が行われるのだ
僕は2010年から2016年まで約6年間
大阪のラジオ番組
「MBSヤングタウン日曜日」
に出演させていただいていた。
メインパーソナリティーは
笑福亭鶴瓶師匠
MBSラジオの看板番組だ
出演者は
鶴瓶師匠
桂三四郎
田口まり
MBS福島アナウンサー
時折ゲストも来たりする。
サッカーでいうと基本的には鶴瓶師匠が
フォワードで、司令塔
みんなが鶴瓶師匠にパスを出すという構成だ
リスナーも制作側も
鶴瓶師匠のトークを聞きたがっている
ワントップの師匠を立てつつ
自分のアピールもしなければいけない
めちゃくちゃに難しい番組だった
僕のポジションでいうとディフェンダーみたいな役割
ちょっとトークが停滞して来たときに
流れを壊さずに話を展開させる役目だ
たまに前線に上がっていくときもある
師匠が中心のトークなので
僕らはサブだから
あまり喋れなくてイライラした経験もあった
でもそこで目立とうとして
「ちょっと待ってくださいよ!!
僕の話聞いてくださいよ!!」
と割り込んだら話はできるかもしれない
でも、それはサッカーで言うところのファウル
「そこまで前行ったらあかんねん」
と言うやつである。
ポジションをわきまえて
役目を果たさなければいけない
麻雀でもそうでしょう?
麻雀は4人でやるゲームです。
自分の持ち牌よりも変化していく
相手と場の牌を気にしなくてはいけない
その麻雀で全局自分が上がり続けて勝つことは
絶対に不可能だ。
もちろん上がりに向かうのだけど
今回は上がれそうにないけど
絶対に振り込まないようにしよう
とか
字牌を鳴かせないようにしよう
1位にはなれそうにないけど
2位を狙うためにどう立ち回ろう
とかいろんなことを考える。
トークも一緒。
自分一人が壇上で喋ることだけ考えればいいが
トークには相手がいる。
相手にも喋らせなければいけない
その変化する相手のトークにどう合わせていくか
一番ハマる例えはプロレスです。
プロレスはショー的要素が強い格闘技です。
相手の技を受け切って倒す。
プロレスでゴングと同時に相手をボコボコにして
一方的に何もさせずに終わらせてしまったら
もうそれはプロレスではないのです。
トークでも一緒です。
ポジションを把握しながら
ちゃんと相手の技(話)を受けとめてあげて
いいタイミングで自分の話を放り込みましょう
これを意識するしないで
トークでの活躍がかなり変わります。
トークの場でのポジションを意識すること
まずはそこから始めましょう